自分は仏に成りたいという心も、よくわからない。
浄土に往生と言われても、よくわからない。
自分にとって大事なのは今なんだ。今しか自分にはないんだ。
死んだ後のことじゃなくて、今、自分が存在している、現在が大事なんだ。
梯実円という先生が教えて下さいました。
自分自身のいのちは、
誰にも代わりが出来ない、自分にしか生きられないいのちなんだ。
精一杯生きていない人はいない。どんなに怠け者に見られるような人でも、
その人なりに精一杯なんだ。
でも、今、自分自身の生にどんな意味があるのか、
死にどんな意味があるのか、わからずにむなしくいのちを終えていく、と
したならあまりにも、自分自身が可哀想じゃないか。
僕はそういう風に人生を終わるのは嫌だ。
辛く、悲しく、険しい歩みだったけれど、本当に意味のある人生でした、と
自分自身に合掌していのちを終えていく、こういう生を僕は歩みたい。
おおよそこういう意味のお話を聞かせて頂いた。先生は既に往生されている方です。
自分は、不完全で、愚かで、嘘つきで、卑しくて、他人を見下して、
そういう歩みしかできないけれど、その自分を待っていた佛と、今共にこの身で
遇えた。
だから、この身を受け止めて、自分に出来ることをやって、
今生を生き切りたい。どういう未来が待っていても、
涙を流しても、恨んでも、かまわない。受け止めたい。
今まで避けて、逃げ続け、迷い続けてきた自分自身を、受け止めたい。
ひとりでは受け止められなくても、
如来まします故に、きっと受け止めることができる。
わたしと共に在る浄土真宗、念佛とは、自分自身を受け止める、大きな力です。
本願と共に。南無阿弥陀仏