生苦を感じる。
人は老い、病で死ぬのではなく、
生まれた、生まれるが故に
死に至る。
無明が存続する限り、また
生死流転すると如来は仰る。親鸞聖人は法然聖人の選択集より引文されている。
還来生死輪転家 決以疑情為所止(以下漢字七文字の句は全て正信念佛偈のことば)
無明は疑いという相に炙り出され、念佛に破られる。
自分の現実、あるいは
ドキュメンタリーを省みるに、
どうやらこの世界は娑婆らしい。
どの人も懸命に生きている。
身体を引きずり、感情を堪え、
汗をかき、歯をくいしばって。
だが悲しいかな。智慧なきが故に
何も成就せずに死んでいく。
苦諦。集諦。
如来のまなこは透徹であり、
曇りなきまなこである。
われもまた苦悩の有情である。
ただ念佛申すしかない。
滅諦。道諦。解脱。出離生死。
娑婆に居ながら娑婆を超えるのが
真宗である。
必至滅度願成就。応信如来弘誓願。即横超截五悪趣。
正信念佛偈のことばは透徹を含んで下さっている。
南無阿弥陀佛