まことを伝えたいのに、伝える力がない。
自分の言葉には、重みがない。
面と面とをあわせても。傍に居ても。心に届かない。
年齢的なものなのか経験か、自分の知識や感受性が乏しいことは、
いうまでもないが、どうしても、どうしても、伝わらない。
まことがある、あなたの求めているものは、結局、
ひっくりかえってしまう、ものだ。
だから、あなたを決して裏切らないものを求めなければならない。
どんなに言っても、伝わらない。
心に堅い蓋がのっかっている。声が届かない。
その人の姿は、これまでの自分の一切の過去の姿、そのものなのだと思う。
絶対に仏の話など聞きたくない。いつまでも夢を見たいのだ。
だから、そんな話をするな。
でも、決してあきらめない。あきらめてはならない。
弥陀がわたしを捨てなかったように、
今生のご縁ではあっても、自分が死ぬまでに、このこと一つは、
決着させたい。
それが、その人にできる、根本的で、決定的な、唯一のことだから。
無常のものを求めるために、あなたの命があるのではない。
仏の願いを聞かなければならない。
届いて欲しい。安心してほしい。それだけが、自分の今生の望みである。
自分のことは、もはや、どうしようもない。
わけのわからない者が、わけのわからないことをしているのだから、
その報いがいつ来ようとも、私には仕方のないことだと受け止めさせて頂く。
他の方のことは、全くわからないし、沙汰する資格がない。
わたしには、何もわからない。それが正直な胸中だからだ。
どうか、どうか、届いて欲しい。
そして、自分を許してほしい。それだけなのに。