人は生まれ、歳を重ね、時には病になり、やがて死ぬ。
無常の世に居るということは、一つの事実。
そして、その中で、自分というものは、分別・分け隔てをせねば、
生きられない、この現実。
正邪を分ける基準は、それが役に立つか、立たないか。
この基準に基づけば、「若い」は良くて、「歳を重ねる」は悪し。
「利益」を稼ぐものを良しとし、「損失」を与えるものを悪し、とする。
貨幣経済を基礎に存在しているわたしは、嫌でもこの「ものさし」を
用いずには生きることができない。
お前は役に立たない。そういっているAが、いつしか、
お前は役に立たない。そういわれるBになる。
ぐるぐるぐるぐる回っていく。これが諸行無常である。
しかし、これを貫き変わらぬものを、真実と云う。
そして、真実を如来と云い、本願とも申す。
本願はひとりひとりを貫き、大悲の心を以って憐れんでいる。
その本願の大悲が言葉となって、今、此処に至り届く。
本願は血が通い、躍動する願いである。
本願とともに。なむあみだぶつ