具体的現実で問われるのは、実践、即ち
行である。対己に関しては、唯念佛一行、
これのみである。
対他者に対する具体的実践が、
六波羅蜜である。
軟らかい言葉。孤独と無関心への忍耐。
差入。
自分自身を賭けて念佛を表現する、
阿弥陀佛の本願が実在することを証せねば
ならない。自分が何をするのか。
文句を云う前に為すべきことを成せ。
仏法は一面、非情な冷徹さをもつ。
如来が真実実在であり、自分は凡夫なので
あり、仮である。
本当に如来は優しく、あたたかく、
柔らかく、凛々しく、独立独歩の方であり、
誠である。今この身に至り届いてくださる
大悲が即ち念佛である。
汝、念佛のほかに何の不足あるか。
本来微塵も不足あることなし。不足満ち
満ちる我が身をあさましく思い、また、
すぐに忘れる。
南無阿弥陀佛