参考 大乗仏典⑧十地経(荒牧典俊訳)中央文庫
歓喜地 p42 五種の不安の解消
(1)生活していけるかどうか
(2)名声にありつけなかったらどうしよう
(3)死んでしまったらどうしよう
(4)苦悩に満ちた存在に生まれるかもしれない
(5)説法会にあって、おどおどしたらどうしよう
(1)を考察する。
かの人は体験する。一切はたよりにならぬもので
あると。信じるより先に信じていたものが、
実はわが心に到達しないものであることを。
すべては本当に自分を救う力なきものたるを
痛切に感じるとき、まことの大悲に遭遇する。
大悲如来とそれ以外の違いが分かる。
まことがわかるとは、まことでないものが
わかること。
煩悩貪欲は燃え盛るが、燃えぬもの、侵されぬ
道がある。念佛の道。
もはや生活はなるようになればよし。
今、目の前にある、身の回りにあるもので充足
している。何度煩悩が起きようとも、
戻れる場所と時がある。業報は嫌だが、
受けねばならぬ。この生存が最期。悪報も
頂戴致す。何度でも念佛に立ち帰る。
故に生活におそれなしという。
南無阿弥陀佛