参考 大乗仏典⑧十地経(荒牧典俊訳)中央文庫
p104
般若の智慧なるものは、教えを聴聞することにはじまると思惟して、
そのように知って、菩薩は勇猛に努力をはじめる。
原文の書き下しを添える。
無礙解脱等の諸の仏法は、何をか以て本と為すや。
聞法を離れざるを本と為すと。
仏法とは、何を聞くのか。
何を浄土真宗とするのか。
南無阿弥陀佛、即ち、佛の名号を以て、
経の体とする、と親鸞聖人は、
顕浄土真実教行証文類、教文類にて、仰る。
佛の名前。
名前には、願い、こころが籠もっている。
意味がある。確かに、一瞬かもしれぬが、
確かに、その時その場所にあったこころである。
人の名前もそうだろう。況や如来をや。
久遠の佛である。
南無阿弥陀佛。この言葉を称え、耳に聞くところに
浄土のはたらき、如来そのものが現にまします。
何があろうとあなたを離れない。
永遠に離れぬ。大切に想う。愛おしい汝よ。
念佛は如来直説法と先達は教えて下さる。
この一声を聞く。念佛のおすがたを選び摂って
下さった大悲を聞く。
このことを多聞決定という。大悲が不退である。
南無阿弥陀佛