大聖一代の教、この徳海にしくなし。
穢を捨て浄を欣い、行に迷い信に惑い、心昏く
識寡なく、悪重く障多きもの、特に如来の発遣を
仰ぎ、必ず最勝の直道に帰して、専らこの行に
奉え、ただこの信を崇めよ。
(顕浄土真実教行証文類序 親鸞聖人)
なぜ生まれてしまったのか、
何をしにここに来たのか今もよくわからない。
ただ、念佛は最勝の直道であると親鸞聖人は
教えて下さった。
そして、専ら念佛に仕えなさいと勧めて下さる。
専修念佛の道。如来からの道。浄土から来た道。
必帰最勝直道、漢文でこのように残して下さり、
今、ここで、念佛を申す。
念佛の目的は念佛。ここに意味を挟む必要が
ない。ただよきひとのおすすめに従い、
如来の名を称えるばかりで、何もない。
助かるか助からないかは知らない。
タスケルは如来の仕事。
タスケラレルはわが分限。
分限に従い、念佛聞かしめられるばかり。
むなしさは今も止まない。止まないまま
徳海に流れ、見えなくなり、忘れては、
また流れていく。むなしさはむなしさのまま
解決される。なくなるわけではなくて、要らないと
思っていたものが、実は大切なものだったので
あります。