人間は根本的に我執を抱えている。
我と我がぶつかる故に、強者と弱者の相が生じる。
強者は力をもって弱者をねじふせる。
力とは、貨幣であり、立場であり、性格であり、性別であり、
あらゆるものである。
そして、弱者は涙を流す。虐げられる。耳を傾けられない。
受けるしかない。
これが世の実相だと感じる。
しかし、それを見ると、すぐに聞こえた。
おごれる者も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もついには滅びぬ。ひとえに風の前のちりに同じ。
すべて凡夫、悉く凡夫ではないか。
千差万別、けれど、すべてを貫くのは、みな凡夫なり、という事実。
何時でも身の事実に立ち返る。このことを智慧の念佛と頂く。
所詮、ともに凡夫なのだから、仲良くできたらいいのにな。
本願とともに。なむあみだぶつ。