一念一刹那も清浄ならざることなし。
これは法蔵菩薩のすがたである。
すなわち憶念であり、その心は一心。
助からぬわれらを必ず往生させるという決意であり、大悲である。
念佛は実は最も難しい。人間の有様に合わないのだ。
難しいものを価値ありと見出し、
容易なものを軽く見る。
念佛は如来回向の大行であり、噛み砕き、
限りなく咀嚼し尽くし果てた大悲のすがたである。
まことに本願尊し、本願深し。
この大悲を味わい尽くすことこそ、人間に
生まれいでた本懐であります。
自力には我が雑ざる。
存在の有様、すなわち無常の身なるが故に、
退転退屈、むなしさから免れること、あることなし。
われらは有限なる存在であります。
南無阿弥陀佛