ともに歩む

自分だけ助かって終わるのではなくて、

同じ地平に立ってともに本願念佛を仰ぐ。

ともに尋ねていく。ともに聴聞する。

そこには自分一人では決して辿り着けぬ

何かがある。それを寂静とか涅槃というのだ

と思う。すべて終わった世界。また始まる

世界。往生の果てに開く世界。

共々に如来の御心を尋ねて参りましょう。

南無阿弥陀佛

マシだと思う心（追記あり）

A＞B　

A＝自分

B＝他者

できないより、できる方がいい。

ないより、ある方がいい。

自分はあの人よりマシだ。

この心が流転の根、地獄の元であろう。

死骸のような心。腐り切った心。

どうしてもこの心を離れることが

できない。故に無始より流転しているから

今も心身がマシだと思う感覚感性に

沈没し、埋もれきっている。

本当にひどい心であり、情けない有様であり

もはや念佛に打ち負かせるよりほかに

道は絶え果てている。

地獄とは自分自身が作りだすものである。

誰かのせいではなく、自分の性が拵える。

そして、貪と無明で染まりきっていて、

不安に慄いている。このまま年老いて死ぬ

のだろう。こういう助からぬ存在たる、

僕にただ称えよの仰せが至り届いている。

他者が助からぬ者ではない。本当に

助からないのは自分だけである。

だからこそ、

お前のための南無阿弥陀佛じゃないか。

この御心を親鸞いちにんがためなりけりと

いうのだと感受する。

南無阿弥陀佛

ニヒリズムを超える

ニヒリズムを超えることは、

人間の知恵、分別知では難し。

意味を見出し続けることは非常に困難で

あり、果てがない。

もしも、超えることがあるとすれば、

自分の感情、感覚をさしおき、相手に

しないこと。むなしさはなくならない。

悲しみもなくならない。

あぁ、むなしいな、あぁ悲しいな。

これでおしまい。感情に留まらない。

留まると腐り、悪臭を放つ。三毒。

流す、流れに任せる。計らわない。

如来の智慧は転換の智慧、即の智慧、

そのままの智慧。生死が涅槃。涅槃が生死。

こう経典や解説書では仰っている。

この無分別智、般若波羅蜜、

空の智慧のおはたらきを横超というので

ありましょう。智慧の念佛、信心の智慧、

如来の大悲涯底なし。利剣即是弥陀名号

南無阿弥陀佛