難思の弘誓は難度海を度する大船、
無碍の光明は無明の闇を破する慧日なり。
(顕浄土真実教行証文類 総序の文 親鸞聖人)
無碍の光明とは、われらに一切の要求がない、
ということ。翻すと、自分で自分を、
他者を真に受け止めることができないのが、
汝なのだ、ということ。
障りなく、救うとは、いつ、如何なる場所で、
如何なる存在になろうとも、どこどこまでも、
我汝と共に在り、必ず我が浄土に往生させん、
と念佛のすがたをとってまで、大悲が、今、
共にまします、ということ。
今、ここで、称え、耳に聞かしめられるところの
南無阿弥陀佛のひとこえ。
自分が称えるには違いないが、出処は、
十七願、諸仏を通して、汝に我が名を称えさせ、
聞かしめ、往生させ、成仏させん、という
本願。
本願が出処につき、私の行にあらず。
大行とは、すなわち無碍光如来の御名を称するなり。
この行は大悲の願より出でたり。
行文類のお言葉。
義なきをもって義とす。如来のはからいで
往生させて頂く。
大聖一代の教、この徳海にしくなし、とまで
ほかに道なし。専ら念佛に帰すばかり。
大悲の誓願、誠に有り難し。慎んで頂礼致す。
南無阿弥陀佛